渋谷のMIYASHITA PARK内に期間限定でオープンした、ビームスのサーフ＆スケートライン〈SSZ（エス エス ズィー）〉の内装設計。

本施設での設計条件として、約2ヶ月間の開催期間ということや、施設で事前に用意されている造作や什器、照明などを可能な限り利用することが挙げられていた。

昨今、POP UPを設計・計画する上での課題としては、「短期間の会期でのブランドの世界観の表現と運営」「初期投資を抑えた上での集客、売り上げの向上」「サスティナブルの観点からのアプローチ」など、様々な視点からのアウトプットが必要となっている。 今回は、上記のような条件や課題を踏まえ、SSZとしてのショップの演出を試行錯誤した。

サブタイトルとして「SSZの仮店舗」と名付けたバイヤー兼ディレクター加藤の独特なセンスを表現するため、大掛かりな造作や仕上げを計画するのではなく、加藤自身に壁一面にステッカーを貼ってもらったり、スケートボードやフィギュアをディスプレイしてもなうなど、来店するお客様がSSZのフィロソフィーそのものに入り込んで頂けるような[編集]をした。

更に今回は、機能の[変換]という試みも取り入れた。ビームスのロジスティクスから、実際運搬に使用している折り畳みコンテナをレンタルし、それを積み上げ、そこに商品を陳列をするというコンセプチャルな仕掛けを実行。このコンテナ自体は、会期後返却され、運搬用の箱としての機能に戻る。

その他、オリジナルのダンボール箱やロゴ入りのビニールテープなどを製作するなど編集や変換作業を繰り返して、このPOP UP STOREが出来上がった。

このスタイルは、ステッカーとコンテナと最低限の什器で構成されており、スペースさえあればどこにでも表現が可能となる。それこそが、今回、加藤が思い描く「SSZの仮店舗」に繋がると考え空間の中に落とし込んだ。 次の会場は、スケートボードパークか海沿いの駐車場か、、、想像が膨らむ。